君の隣で、私になれた



「紅羽のこと何だと思ってるんですか!」

目の前に言って3人…

とくに紅羽を弄んだ男を睨む。

男の人たちは固まる。

「え?」


「簡単だったとか…」

「そんな言い方しないでください!」

一気に静かになる。


「紅羽は本気で好きだっただけなのに」

「ちゃんと好きだったんです」

「それなのに笑い話みたいに…」

「最低です!」


少し間が空く。

そして。

「ほんとに最低!!!」

完全に静まり返る。



「莉桜!」

紅羽が慌てて止めに入る。

「もういいって!私は大丈夫だから!」

そう言って笑う。

いつもの笑顔。

でもさっきの表情は…


「そんなわけないでしょ!」

思わず言った。

「好きだったんでしょ?」

紅羽が黙る。

「傷付いたんでしょ?」

また黙る。


「なんで紅羽が気遣って笑うの!?」

「悪いのはそっちなのに!」

男の方をまた睨む。


男たちの顔色が変わる。

「いや…ごめん」

「そんなつもりじゃ」

「そんなつもりじゃなくても傷付いてる」

「それくらい分かってください」

また静かになる。


その後。

男たちは謝って気まずそうに去っていった。





ーー帰り道。


夕方。

駅までの道を4人で歩いてる。

少し前を私と紅羽。

後ろに新と琉生。


「莉桜」

紅羽に呼ばれる。

「ん?」

「さっきありがと」

少し照れたように笑う紅羽。

「ほんと助かった」


「別に」

「めちゃくちゃかっこよかった」

紅羽が笑う。

「やめて」

改めて言われると恥ずかしくなる。


「私だったらあんなちゃんと言えなかった」

私は少しだけ黙る。

「いつも言えなかったから…」

紅羽の言葉に胸が少し痛くなる。

「そっか」

でも大したことは言えなかった。


その時。

後ろから声がする。


「莉桜って怒ったら怖いな」

新だった。

「俺も思った」

琉生も頷く。

「意外だった」

新が少し笑う。

「こういうタイプが意外と気強いんだよ」

そう言うのは琉生。


「違うって」

思わず振り返る。

「怖くないから」

「怖かった」

「怖かった」

変なとこで意思疎通する新と琉生。