君の隣で、私になれた



ーーー1週間後。


早稲田大学。

学園祭。


バイトの先輩に誘われて4人で来ていた。


「広いね〜」

テンション上がる紅羽。

「人多いね〜」

私は人の多さに圧倒される。

慶應の学園祭もだけどほんとに人が多い。

「慶應とやっぱちょっと雰囲気似てんなー」

琉生が言う。

「どっちも大学だからな」

新が突っ込む。



屋台を回る。

写真を撮る。

食べ歩く。


途中。

早稲田の男子グループに話しかけられる。

隣では琉生が女の子に囲まれてる。



「相変わらずだな、お前ら」

新が呟く。

「モテる男は辛い」

琉生が得意げに笑う。

「黙れ」

新が強め突っ込む。



そして琉生がふと思い出したように。

「そういえば、」

「ん?」

「紅羽が言ってた人、早稲田じゃなかった?」


紅羽が固まる。

「あ、ほんとだ」

「大丈夫なの?」

紅羽に聞く。

「大丈夫大丈夫!さすがに会わないって」

呑気に笑う。


私もこの時はそう思ってた。

でも…。




ーーお昼すぎ。


キャンパス内のベンチ。

4人で座って休憩。


後ろの方から数人の男の人の声。


紅羽が私の手をぎゅっと握る。

「やばい」

「え?」

そして振り返ってすぐ顔を戻す紅羽。

「後ろに先輩いる」

小声で私たちに言う。


なんか嫌な予感がする。

「移動しよっか?」

「うん、移動しよ」

みんなで立ち上がろうとした。

その瞬間。


後ろから声が聞こえる。

「そういえば紅羽ちゃんどうなった?」


その言葉で全員止まる。

そして紅羽以外の3人は振り返る。


「あー」

1人の男の人が笑う。

「簡単だった」

心臓が冷えるみたいな感覚がくる。

「ちょっと褒めたらすぐヤれたし」

男の人たちの笑い声。


「スタイル良かったよな」

「良かった」

「やっぱ色々良かった?」

ニヤニヤしてゲスな話を続ける。

嫌な笑い声。


紅羽を見る。

一瞬だけ泣きそうな顔をする。

でも次の瞬間には笑っていた。


その表情がどうしても許せなかった。


私は気付けば立ち上がっていた。


「あの!!!」

自分でも驚くくらい大きな声。

全員がこっちを見る。