君の隣で、私になれた



私は家に帰ってすぐ先輩にLINEを送る。


『今日はありがとう♡』

『次いつ会う?♡』



当日は未読。

2日目、既読。

3日目、返事は来ない。


そのまま静かにスマホを閉じる。


分かってる。

もう返事は来ない。

1日後の時点でわかってはいた。


来るならとっくに来てはずだから。



こんなんだから簡単な女って思われる。

でも好きな人から好きって言われたら…

私は信じたい。

信じたくなっちゃう。


今回こそは。

今度こそは。

そう思ってしまう。


だから私は何度でも騙される。

そして何度でもまた恋を追いかける。




ーー大学 商学部。


「そういえば」

友達が聞く。

「早稲田の先輩どうなった?」

私は無言でスマホを開く。

そしてLINEのトーク画面を見せる。


それを見て友達が察する。

「え、まさか…」

私は静かに頷く。

「また?」

頷く。

「紅羽、もっと自分を大事にしなさい」

やっぱり言われてしまった。

「はい」

返事はちゃんとする。





ーーその日の夕方。


私はまた新しいイケメンに恋していた。


「ねぇ、今の人!超かっこよくない!?」

「あんたほんと懲りないね」

友達は頭を抱える。

私は笑う。




たぶんまた同じことを繰り返す。

傷ついて。

騙されて。

友達に呆れられて。

それでも。

次こそは本物だと思いながら。

私はまた恋をする。