ーー海の家。
注文していた料理がテーブルに並ぶ。
焼きそば。
カレー。
ラーメン。
かき氷。
「食べ過ぎじゃない?」
私は思わず突っ込む。
「海だからセーフでしょ!」
紅羽が即答する。
海だからの意味は分からない。
「そういえばさ」
琉生が新の方を見て言う。
「新、例の先輩どうなった?」
新が箸を止める。
「それ!私も聞きたい!」
紅羽が乗り出してくる。
「別に何もない」
つまらなそうな顔をする琉生と紅羽。
「何もじゃないでしょ!」
「飲み行ったんだろ?」
「行った」
「ふたりで!?」
「そう」
「おぉー」
紅羽がニヤニヤ笑う。
「で?何かあった?」
「何もない」
表情が一切変わらない新。
「嘘だ」
「絶対ある」
怪しむ琉生と紅羽。
「ない」
「先輩、美人なんでしょ?」
「普通に綺麗」
「ほら!しかも優しいんでしょ?」
「優しい」
「ほらぁ!!」
紅羽の目がキラキラと輝く。
「何が」
新は呆れて首を傾げる。
「付き合えばいいじゃん!」
紅羽は引かない。
「好きじゃないし」
一瞬静かになる。
「え?なんで?」
紅羽は固まる。
「何がダメなの?」
「別にダメじゃない」
「じゃあ付き合えよ」
琉生が言う。
「だから好きじゃない」
新は本気で言ってる。
紅羽が頭を抱える。
「分かんない」
「私も」
紅羽と同意見。
「新って彼女ほしいって思うことないの?」
「ない」
即答。
「なんで!?」
「今困ってないから」
「それだけ?」
「それだけ」
紅羽がまた頭を抱える。
「分かんない」
