君の隣で、私になれた



ーーー大学2年の夏。

ーー新side.


それぞれの恋愛事情。

新の場合。



理工学部。

建築の講習終わり。


「新くん」

振り返る。

2個上の理工の先輩。

いわゆる綺麗系の女子。


「今日、暇?」

少し考える。

バイトも休みだし予定はない。

「暇です」

「飲み行かない?」

「いいですよ」

「ほんと?」

先輩はそう言って笑う。



「また先輩?」

先輩が去った後。

理工の男友達が言う。

「ああ」

「狙われてんじゃん」

「知らん」

「絶対好きだろ」

「ないだろ」

友達たちが呆れる。

「お前そういうとこだぞ」


「てか彼女作らないの?」

「作る理由がない」

「出た」

「人生損してる」

「別に困ってない」

「終わりだわ」

大学に入って1度もいない。

けれど何も困らない。

むしろ楽で良い。



だから琉生の行動は理解できない。

あいつも紅羽や莉桜とは違う。

恋愛を必要としていない。


それなのにあえて次々と付き合う。

到底、理解できない。




ーー夜。


居酒屋の個室。


「意外」

先輩が笑う。

「何がですか」

「誘ったら来てくれるのが」

少し考える。

「予定なかったんで」

「そういう返しするよね」

「事実です」

先輩は少し笑う。


綺麗な人だとは思う。

話も面白い。

気も遣える。

だから一緒にいて疲れない。


でも、それだけ。



「新くんって彼女いる?」

「いません」

「へぇ…作らないの?」

「作らないですね」

「なんで?」

考える。

「必要ないからですね」

「必要ない?」

先輩が笑う。

「恋愛が?」

「恋愛も彼女も」

「ひどい」

「そうですか?」

俺には本当に分からない。