君の隣で、私になれた



「こいつもこうだから!」

「いつも別れたて」

「なにそれ!」

男友達の言葉に女子たちが笑う。


隣の女子が肩を寄せてくる。

「じゃあ琉生くん今フリー?」

「たぶん」

「たぶんって何!」

女子たちが笑う。



いつも通り。

自分からはガツガツいかない。

でも近付かれたら避けない。

連絡先も聞かれたら教える。

写真も撮ろうって言われたら撮る。



「結花ちゃんって教育だっけ?」

「え、覚えてくれたの!?」

「覚えるだろ」

それだけで嬉しそうに笑う。


ー…

男友達たちは知っている。

琉生は特別なことはしない。

でもそれが1番厄介だってことを。




ーー2時間後。


席替え。

気付けば1番人気だった子が隣。

3回目だった。


「結花ちゃん琉生狙いでしょ」

「思った!」

男友達が笑う。


「えー、だって…」

頬を膨らませる。

「琉生くん面白いし優しいし」

「顔も好き」

ストレート。

さっきから動作もあざとい。

「全部言うじゃん」

「だって本当だもん」

そう言って俺の腕に抱きつく。

そして頭を肩に預けてくる。


やっぱりあざとい。

けどわかりやすくて良い。


「ダメ?」

至近距離で上目遣い。

「そんな褒めたら調子乗るよ?」

「もう乗ってるじゃん」

「バレた?でもありがとう」

そう言って笑う。

そして自然に腰へ手を回す。

「やった」

結花ちゃんが嬉しそうに笑う。


「俺より結花ちゃんが嬉しそうじゃん」

「嬉しいもん」

そう言ってさらに距離が近くなる。

「だって琉生くんだよ?」


「出た」

「始まった」

「結花ちゃん狙ってたのに」

「また琉生にもってかれた」

「でも琉生いないと女子集まらない」

「それな」

大爆笑。


一方、他の女子たち。

「え、やばい」

「いいなぁ結花」

「私だったら好きになる」

「もうなってるじゃん」

「たしかに」

笑いが起きる。