ーーー大学2年の春。
ーー琉生side.
それぞれの恋愛事情。
琉生の場合。
「好きだけど別れたい」
大学の中庭。
彼女から別れを切り出される。
「琉生って何考えてるか分からない」
「そう?」
「私のこと好き?」
俺は少し考える。
「たぶん好きだと思う」
「たぶん?」
「うん」
そう言うと彼女が泣きそうな顔で笑う。
「ほら、そういうとこ」
「私ばかり好きみたい」
「…」
「もっと彼女優先にしてほしかった」
「…それは無理かも」
正直に答える。
「なんで?」
「友達も大事だし、遊ぶのも好き」
「彼女できても急には変われない」
沈黙。
「やっぱり別れよう」
「琉生には恋愛向いてない」
俺は止めない。
「分かった」
「…最後まで好きになってもらえなかったな」
そう言って小さく笑う。
そしてそのまま去っていった。
『琉生には恋愛向いてない』
『最後まで好きになってもらえなかった』
たぶん彼女の言ったことは正しい。
けれど正直。
それでも楽しければいい。
そうとしか思えなかった。
ーー直後。経済学部。
「どうなった?」
戻るとすぐ周りに集まってくる男友達。
「フラれた」
「また!?」
「早すぎるだろ」
「今度はなんて?」
「何考えてるか分からないって」
そう言うと納得される。
「あー」
男友達たちが揃って頷く。
「納得」
「おい」
「いや納得すぎる」
「俺も納得」
「全員敵じゃん」
笑いが起きる。
「彼女優先にしてほしいとか」
「ほんとに好きなのか分からないって」
「で?なんて答えた?」
「たぶん好きって」
沈黙。
「お前それ好きじゃない男の返事じゃん」
「違う」
「じゃあ本気で好きだった?」
「…たぶん?」
「はぁーー…」
「おわりだ」
「おわりだな」
ため息と共に呆れられる。
