君の隣で、私になれた



「琉生先輩、聞いてくださいよー!この前…」

1人の後輩女子が喋っている最中。

「あ、」

琉生が自然にその子の前髪を触る。

「え?」

「なんかついてた」

そして取る。

「はい、おっけー」

笑ってそのまま頭をポンと触る。

「…っ」

女子は完全に硬直。

顔が真っ赤に染まる。


「キャーーーー」

周りは大騒ぎ。

「今のやばくない!?」

「近い!やばい!」

「羨ましすぎる!!」

琉生本人は何?ってかんじの表情。

完全にいつもの距離感。


「うるさい」

新が呟く。

「すごいわほんとに」

呆れる紅羽。



「紅羽先輩〜!」

そんな紅羽は後輩女子たちの中心。

「そのリップどこのですか!?」

「髪巻くの何使ってますか?」

「洋服可愛いです!どこのですか?」

質問攻め。

既にみんなに慕われてすごいと思う。

「待って待って!1人ずつ!」

そこに後輩男子も混ざる。

「城野先輩って彼氏いるんすか?」

「いない!」

「好きな人は?」

「いる」

「マジっすか!いいですね!!」

大盛り上がり。


紅羽はいつも輪の真ん中にいる人。

誰とでも仲良く話す。

気付けば周りに人が集まっている。

そして周りがみんな笑ってる。



一方、新は…

「関谷先輩」

後輩男子が話しかける。

「ん?」

「正直最初怖そうだと思ってました」

そう言って笑う。

「よく言われる」

「けど1番優しいですよね!」

「わかる!怒らないし頼りになるし!」

参戦してくる他の男子。

「関谷先輩って彼女いるんですか?」

続いて参戦してくる後輩女子。

「いない」

「え!意外!」

「なんで」

「一途そうだから絶対いると思ってました!」

「分かる、長い彼女いそう!」

「ないな」

新が少しだけ笑う。

「もったいないっすねー」

「何が」

「全部!」

「おい」

笑いが起きる。


新も相変わらずだった。

口数少なくて話しかけにくい雰囲気。

だけど気付けば周りに人がいる。

そして去年より柔らかくなっていた。