君の隣で、私になれた



ーーー大学2年の春。


新歓シーズン。

バイト先にも1年生が数人入ってきた。



「先輩たち座ってくださーい!」

貸切の居酒屋。

新人歓迎会。

私たち4人はいつの間にか先輩側になっていた。


「早くない?」

紅羽が言う。

「去年まで新人だったのに」

「去年のお前はずっと皿割ってたな」

笑いながらそう言うのは新。

「言わないで!?」

周りに笑いが起きる。



「神崎先輩っ!」

後輩女子が琉生に駆け寄る。

「隣いいですか?」

「どーぞ」

にこって笑って即答。

すると、

「私も!」

「私も座りたい!」

次々と女の子たちが集まる。


「すご、モテモテじゃん」

紅羽が笑う。

「ほんと相変わらずすごいね…」

私も続く。

「いつもの」

新は呆れてる。


「神崎先輩って彼女いるんですか?」

「いる時もある」

「何それ!」

女子たちが爆笑する。

「今は?」

「んー、どうかな」

意味深な返事をして笑う琉生。

「え」

空気が変わる。

女子たちの目が輝く。

「もしかしてチャンス!?」

「えー!先輩の彼女なりたい!」



盛り上がる女子たち。

「あれ?あいつ今彼女いたよね」

小声で耳打ちしてくる紅羽。

紅羽の言う通り3ヶ月前?くらいから彼女がいる。

別れてなければだけど。

「うん、たぶん」

「いないとは言ってないのか、あー悪い男」

呆れたように紅羽が笑う。

たしかにいないとは言ってない。



「琉生先輩って呼んでもいいですか!?」

「いいよ」

琉生が笑うとその度に女子たちが盛り上がる。

ほんとにすごいと思う。

「琉生先輩ってどんな子がタイプですか?」

「可愛い子」

即答。

「即答だ…しかもざっくり…」

「参考にならない!」

女子たちが騒ぐ。

「可愛ければ良いんですか?」

「よくない?」

琉生が笑う。

「やっぱ顔重視ですか?」

「最重視」

「言い切った…」

「清々しい」

「でも分かるかも」

「分かるのかよ」

また笑いが起きる。


琉生も相変わらずすごいけど。

後輩女子たちも積極的ですごい。