ーーーイルミの後。
そのまま4人でバイト。
「いらっしゃいませー」
いつも通り。
…のはずだった。
「莉桜、そのオーダー違う」
「あっ、ごめん!」
慌てて伝票を見直す。
まただ…
今日は何度も同じようなミスをしている。
「莉桜?大丈夫?」
紅羽が小声で聞いてくる。
「ごめん、大丈夫!」
笑って頷く。
大丈夫。大丈夫。
そう言い聞かせる。
でも。
さっきのLINEを思い出すたびに。
胸の奥が少し重たかった。
『なんで先に言わないの?』
『男いるなら先に言って』
頭から離れない。
仕事中で集中しなきゃいけないのに。
昔から湊は心配性だった。
だけど最近はそれがもっと強くなった気がする。
ーー閉店後のバックヤード。
「はぁー、おわった!」
紅羽が椅子に倒れ込む。
「疲れたー!」
「うるさい」
新が即答。
「ひど!」
いつものやり取り。
でも、今日は少し違った。
「莉桜」
新が言う。
「ん?」
「体調悪いのか?」
「え?」
「今日めずらしくミス多かった」
紅羽も頷く。
「たしかに!なんかあった?大丈夫?」
2人とも心配そうな顔で見てくる。
私は少しだけ目を逸らす。
「……昨日、寝るの遅くて」
いつものように笑う。
「たぶんそれかも、ごめん」
紅羽が安心したように笑う。
「そっかぁ!今日は早く寝なよ!」
「もう既に遅いだろ」
新が時計を見る。
また笑い声が上がる。
大丈夫。
なんとか誤魔化せた。
そう思った。
「じゃあ先帰るわ」
「おつかれー!」
紅羽と新が先に出ていく。
静かになる。
私も帰ろう。
スマホを手に取る。
湊からのLINEに返事を返しながらドアへ向かう。
