君の隣で、私になれた



黒髪。

整った大人っぽい顔立ち。

切れ長の目。


画面越しなのにどこか少し近寄りがたい雰囲気。



「ちょっと怖そう?」

「え?」

「あ、いや、怖そうっていうか…」

言葉を探す。


「インテリ系?頭良さそうなかんじ」

「それはそうかも」

莉桜が笑う。

「だよね、医学部だもんね」

「うん」

「しかも主席なんでしょ?すごすぎる」

「え、なんで知ってるの?」

「噂で聞いた」

莉桜がよく噂になっていてその時に聞いた。

半信半疑だったけど本当だったんだ…



思わず、また写真を見返す。


医学部主席。

身長も高い。

顔も良い。


「冷静に…設定盛すぎじゃない?」

「ゲームみたいなこと言わないで」

いやだって、

「こんなの現実にいるんだ」

「なにそれ」

2人で笑い合う。





でも正直。

莉桜とは意外な組み合わせだった。



莉桜は柔らかくて人懐っこい。

ふわっとしている。


湊くんは真逆。


静かで冷静そうで隙がない。

そんなイメージだった。



でも莉桜が幸せそうに笑うなら。

きっと優しい人なんだろう。




「で?」

スマホを返す。

「ん?」

「そのSSR彼氏とデートする服は?」

「あ、そうそう、こっちか…こっち」

2枚の写真を見せてくる。

「こっち!」

即答。

「やっぱり?」

「絶対こっち!」

「なんで?」

「偏見だけど湊くんの好みそう」

「なにそれ。でもありがとう」


柔らかい顔で笑う莉桜。

こんな顔を見るたびに思う。

ちゃんと大切にされてるんだろうなって。

純粋に羨ましい。



そして湊くんの話は4人の時はしない。

周りが聞くことはあっても莉桜からはしない。


でも2人の時は違う。

デートの話も、最近の湊くんとの話も、

ちゃんと聞かせてくれる。