君の隣で、私になれた



「紅羽って絶対そういう仕事向いてるよね」

友達が言う。

「ほんと?」

「アパレルとか雑誌関係とか」

少し考える。


「雑誌は楽しそうかも」

「編集?」

「うん!」


ファッション関係の仕事。

そして人と関わる仕事。

なんとなく。

そんな仕事がしたいと思っていた。





ーー授業おわって夕方。


「紅羽ー!今からみんなでどっか行かね?」

「あ、ごめん今から莉桜と待ち合わせしてる」

「え、文学部の?仲良いの?」

驚いた顔でみてくる男友達。


やっぱり莉桜の人気はすごい。

本人はまったくわかってないみたいだけど。


「仲良いよー、そのまま一緒にバイト」

「マジか、羨ましい」

「どっちが?」

「…どっちも?」

「嘘つけ」

周りが笑う。





ーーバイトまでの時間。


莉桜と2人でカフェ。

大学おわってバイトまでの空き時間。

この時間は莉桜と一緒にいることが多い。



「そういえば…」

課題をしながらふと莉桜が話しかけてくる。


「ん?」

「来週、久々に湊と会うんだけど…」

「え!デート!?」

「うん」

思わずニヤける。


「どこ行くの?」

「水族館」

「いいじゃん!」

「それで服迷ってて、」

これはいつものこと。

ん?そういえば…


「ねぇ、写真見せてよ!」

「え?服の?」

「違う、湊くんの」

莉桜が驚いた顔をする。

「え、急になんで!?」

「だって見たことないもん!」

「あれ、そうだったっけ…?」

そう言いながらスマホを触る莉桜。


話はいろいろ聞いてる。

けど会ったことはなくて写真も見たことない。



「あった、これ」

スマホを差し出される。

画面を見る。


「え」

そして思わず固まってしまう。


「え、何…」

「ちょっと待って、もう1回見せて」

画面に写った人をもう1度見る。


「顔が強い…」

「普通だよ」

「普通じゃない」

即答。