君の隣で、私になれた



「はい。」

いちご飴を受け取る。

「ありがとう!」

「落とすなよ」

「落とさないから!」


嬉しくてすぐ一口。

「んー!美味しい!」

「分かりやす」

笑われる。

「だって美味しい!」


「あ。」

琉生がスマホを取り出した。

「写真撮ろー」

「撮る!」

スマホを構える。

「もうちょい寄れ」

「え?」

次の瞬間、肩に腕が回る。

ぐっと距離が縮まる。


「近い近い!」

笑いながら言う。

「写らない」

「そんなことないって」

「ある」

肩を軽く引き寄せられる。

「はい、撮るよ」

カシャ。


「撮れた」

画面を覗き込む。

「ほら。」

肩が触れる。

顔も近い。

でも嫌じゃない。


……あれ。

少し前、合コンで。

拓海くんに肩を組まれた時。

思わず少し苦手かも。

そう思った。


琉生は昔から。

肩を組んだり、頭を撫でたり、

距離なんてずっと近かった。


それなのに。

嫌だと思ったことは一度もない。



「莉桜?」

「ん?」

「ぼーっとしてる」

「してない!」

「してた」


笑いながら。

頭をくしゃっと撫でられる。

「髪ぐちゃぐちゃ」

「可愛いからいい」

「よくない」

思わず笑う。


……なんでだろう。

琉生だけは。

自然に受け入れてしまう。

昔からだから?


それとも。

信頼してるから?


自分でも。

まだ答えは分からなかった。



「ほら、次行くぞ」

差し出された手。

何も考えずその手を取る。


笑いながら。

また隣を歩き出した。