君の隣で、私になれた



ーーー社会人2年目の初冬。

ーー莉桜side.


最近。

時々、思い出してしまう。


あの日。

経済学部の子たちに言われた言葉。


『迎えも来る』

『二人で遊ぶ』

『助手席にも乗せる』

『私たちには断るのに』

『莉桜ちゃんには自分からするんだ』


……。


最初はただの嫉妬だと思ってた。


でも一つだけ。

引っかかることがある。


『女と2人もしばらくないな』

って琉生は言ってた。


合コンには行く。

でも持ち帰りはやめた。

2人でも会わない。


私はてっきり。

関係を持たなくなっただけで。

普通には遊んでるんだと思ってた。


だから、車もふつうに。

他の子も乗せてるんだって思ってた。

でも違った。


なんで私だけ……?


そこまで考えて。

小さく首を振る。


……いや。

ないない。

相手はあの琉生。


昔から。

誰にでも優しくて。

距離も近くて。

可愛いって平気で言える。


そんな人が私を特別なんて。

あるわけない。


きっと考えすぎ。

そう思ってその話は。

頭の中から追い出した。


……なのに。



それから数週間。

琉生からは音沙汰がなくなった。


2人で遊ぼうとも言わない。

連絡も前より少し減った。


4人で会うときはいつも通り。

優しい。

笑う。

話しかけてくれる。


でも前みたいな。

“特別”は。

なくなった気がした。


……やっぱり。

気のせいだったんだ。


少しだけ安心して。

少しだけ寂しかった。


そんな時だった。


『莉桜。』

『合コン行こうよー!!』

紅羽からそんな誘いが来たのは。