君の隣で、私になれた



ーーー社会人2年目の秋。

ーー莉桜side.


仕事終わり。


今日は紅羽と琉生と。

新の誕生日プレゼントを選ぶ日。



待ち合わせ場所へ向かう途中。



「……あの。」

後ろから声を掛けられる。


振り向く。

同い年くらいの女の子が3人。


「ねぇ、莉桜ちゃんだよね?」

「慶應の文学部の!」


少し考えて。

「あ……。」

見覚えがあった。

「うちら経済学部で」

「同級生だったんだけどわかる?」

その一言で思い出す。


「あ!琉生と仲良かった……」

「そうそう!」

「覚えてくれてた!」


少しだけ安心したように笑う。

「久しぶり」とまではいかない。

でも。

少しだけ会話をするくらいの距離感。


だからなんでわざわざ声をかけたのか。

それがちょっとだけ不思議だった。


「今CAなんだよね?」

「すごいね」

「やっぱ忙しい?」

「うん、でも楽しいよ」

自然に答える。


すると。

一人が何気ないように聞いた。


「そういえば。」

「最近も琉生と会ってる?」

「え?」

「琉生と2人でドライブ行ったの?」

少し驚く。


「……うん、行ったよ」

「へぇ。」

「ほんとだったんだ」

三人が顔を見合わせる。

「この前…」

「飲み会で琉生が言ってたから」

「車買ったからドライブ行ったって」

「いいなーと思って」

「ね、ずるいなー」


悪気なんてない。

聞かれたから答えただけ。


けどたぶん嫉妬されてる。

何か勘違いされてる。

そんな空気を感じて咄嗟に言う。


「琉生に誘われたから……」


その一言でまた空気が変わる。

しまった。

そう気付いた時には遅かった。


「……は?」

「誘われて?」

「それ言わなくてよくない?」

「え……。」

「向こうから誘われたって」

「自慢したいわけ?」

「違う!そういう意味じゃ……」


「じゃあどういう意味?」

「迎えも来る、2人で遊ぶ、」

「助手席にも乗せる。」

「全部、私たちには断わるのに?」

「莉桜ちゃんには自分からするんだ」