ーー莉桜side.
「着いた」
車が家の前で止まった。
「ありがとう!」
ドアを開ける。
「今日はほんとに楽しかった!」
「俺も楽しかった。また誘う」
「うん!」
手を振る。
ドアを閉めると。
車はゆっくり走り出した。
見えなくなるまでな見送る。
楽しかった。
心の底からそう思えた。
大学の頃も仲は良かった。
でも今日みたいに。
二人でちゃんと過ごしたことは。
一度もなかった。
少しずつ。
琉生ともっと仲良くなれてる。
それがなんだか嬉しかった。
帰りの車で聞いた言葉を思い出す。
『好きだからって』
『相手の人生まで決める権利はないし。』
『好きなこと頑張ってる姿って』
『かっこいいじゃん。』
窓の外を見上げる。
もしあんなふうに。
お互いを尊重できる人とだったら。
もっと違う未来もあったのかな。
そんなことを少しだけ考えた。
でも今はまだ。
恋愛より。
仕事も友達との時間も。
全部が楽しい。
それで十分。
