ーーー海。
外はもう暗くなってきてる。
海へ到着。
「……え!海!?」
「びっくりした?」
「夜に海なんて思わないじゃん!」
莉桜はキラキラした目で海を見る。
その様子を見て俺も笑う。
車を降りる。
「靴どうする?」
「濡れるし砂も入るよね?」
「裸足?」
「そうしよ!」
2人並んで。
片手には靴を持って。
裸足で夜の砂浜を歩く。
「冷たっ!」
「ひんやりしてて気持ちいい」
波打ち際。
笑いながら歩く。
何を話すでもなくただ歩く。
それだけなのに。
不思議と心地いい。
その時。
「きゃっ。」
莉桜の足が砂に取られる。
反射で手を掴んだ。
「あぶね」
「ありがと」
莉桜はほっとしたように笑う。
何事もなかったみたいに。
そのまま歩き出そうとする。
……あ。
まだ手を繋いだまま。
俺は慌てて離す。
「あ、ごめん」
「ん?なにが?」
「いや、なんでもない」
莉桜は本当に。
何も気付いてない。
何も意識してない。
昔は。
その無防備さが嬉しかった。
でも今は。
少しだけ困る。
この距離を。
俺だけが意識してる。
