ーー午後。
今日の授業がすべておわった。
「莉桜〜!」
「もう帰る??」
「今からみんなでカラオケ行かない?」
みんながワラワラと集まる。
「行くー!」
自然と輪が広がる。
文学部は男女ともにみんなで仲良い。
男友達もいる。
もちろん女友達もいる。
「莉桜も今日来る?」
「行くよー」
「よし」
でも、2人きりでは行かない。
誘われても。
誰かを誘ってみんなで行く。
彼氏がいるから…
っていうよりその方が自然だから?
男友達は男友達。
それ以上でもそれ以下でもない。
ーーみんなでカラオケ。
「莉桜なに歌う?」
「なんでも」
「それ1番困るやつ」
「じゃあ先歌って!」
「あ、逃げた」
ワイワイ盛り上がってるカラオケの個室。
男女合わせて10人以上いる。
「莉桜この曲知ってる?」
聞いてくるのはよく喋る男友達。
「わかるよー」
「よしデュエット!」
「え?」
「逃げるな」
「逃げてない」
自然に輪に引き込まれる。
でも。
「2人で歌う?」
「いや、みんなで歌お」
「あー」
男子が苦笑する。
「また振られた」
「違うから」
「莉桜って絶妙だよな」
「何が?」
「距離近そうで近くない」
「分かる」
「優しいのに隙がない」
「それ」
みんな笑う。
『距離近そうで近くない』
たしかにそうなのかもしれない。
「莉桜ー」
「んー?」
「写真撮るよー!」
「はーい」
自然に輪の中心に引っ張られる。
男女関係なく。
誰とでも仲良くなれる。
だからといって。
誰にでも同じ距離で接するわけじゃない。
それが当たり前だと思っていた。
