ーーーあれから3ヶ月弱。
七月。
仕事終わり。
蒸し暑い夜。
居酒屋の暖簾をくぐる。
「お疲れー!」
紅羽が先に手を振る。
「お疲れ」
新も続く。
少し遅れて。
「ごめん、お待たせ!」
莉桜も来る。
笑っていた。
最近、笑顔が増えてきた。
あの日以来しばらく。
笑っていても。
どこか無理をしているように見えた。
でも今日は違う。
紅羽にツッコんで。
新に乗っかって。
くだらないことで笑ってる。
まだ全部じゃない。
でも少しずつ。
莉桜は前に進んでいる。
それが嬉しかった。
乾杯。
「社会人の初飲みから一周年だね」
紅羽が笑う。
「もう一年かぁ」
「あっという間だったな」
それから自然と仕事の話になる。
「そういえば。」
「俺、新人賞取った!」
少し得意げに笑う。
「はいはい」
新が適当に流してくる。
「すごいすごい」
「おい新、ちゃんと聞け!」
「1年目で新人賞だぞ?」
「もっと褒めろ」
「いやでもさすがだね〜!!すご!」
紅羽が拍手して笑う。
「すごい!おめでとう!」
莉桜も拍手に乗っかって笑う。
「今店舗2位であと1人抜いたら1位」
「え。入社1年で?」
紅羽が固まる。
「うん、下半期だけならもう1位」
「えぐ。」
新が呟く。
俺はまた得意げに笑う。
「俺天才かも」
「調子乗んな」
新の即ツッコミ。
「いや事実じゃん?」
「そこは認めろよ!」
「認める認める!」
「だから今日は琉生のおごりね!」
調子良いことを言ってくる紅羽。
「なんでだよ!」
みんなで爆笑する。
「……でもすごいね、ほんとに」
莉桜が小さく呟く。
その言葉に俺は少し照れる。
「まぁ…頑張った」
この一言だけ。
