ーーー社会人2年目の春。
ーー琉生side.
いつもの4人での月1飲み会。
飲み会終わり。
店を出る。
「じゃあまた来月!」
紅羽が手を振る。
「お疲れ」
新も駅の方へ歩いていく。
紅羽はなぜか今日は、
二軒目行こうって言わなかった。
莉桜は今日もソフトドリンク。
普通に笑っていた。
でも。
どこか無理をしている笑顔だった。
「じゃ、電車やばいから先行くね!」
紅羽と新は改札へ急ぐ。
気付けば。
俺と莉桜だけになってた。
少しだけ沈黙。
「明日も仕事?」
「うん。今週忙しくて……」
「そっか」
それだけ。
本当はもっと聞きたいことがある。
でも、踏み込めない。
その時。
一台の黒い車が俺たちの前で停まる
見覚えのある車。
助手席の窓が開く。
湊さんだった。
「……。」
一瞬。空気が止まる。
湊さんの視線が。
俺と莉桜を往復する。
「なんで2人?」
冷たくて低い声。
莉桜がすぐ答える。
「みんな今帰ったばっかりで──」
「聞いてない」
湊さんに遮られる。
「なんで2人だったか聞いてる」
莉桜の肩が小さく震える。
「たまたまで──」
「また”たまたま”?」
「羽田もたまたま。」
「今日もたまたま。」
「何回あるんだよ」
「違うの、今日はみんなで──」
「俺が知りたいのは。」
また遮られる。
「なんで俺との約束より」
「他の男との時間を優先したのか」
「……。」
「約束したよな?」
「男とは距離置くって」
「ちゃんと約束守るって」
「俺が忙しいからって、」
「好き勝手していいわけじゃない。」
湊さんは付け入る隙がないくらい。
莉桜のことを責め立てる。
「してない…飲み会だけだよ」
「お酒も飲んでないよ」
「2軒目も行ってない」
「約束守ってる」
