君の隣で、私になれた



「でも、友達だよ?」

思わず少しだけ強めに言う。

「だから?」

「友達だからって安心とでも思ってる?」

「……。」


「神崎くん。」

「お前のこと好きなんじゃない?」


「え?」

思わず顔を上げる。

「もし好きじゃなかったとしても」

「男なんて2人きりになれば、」

「手出すやつはいくらでもいる」

「神崎くんなんてとくにそう。」

「今まで散々遊んできたんだろ」

「友達だから大丈夫なんて」

「そんな保証どこにもない」





「……違う。」

気付けば口が動いていた。

「そういう人じゃない」


「……そういう人?」

湊が笑う。

でも目は笑っていなかった。


「神崎くんって」

「彼女いても他の女と遊ぶ人でしょ?」

「派手な女遊びも有名だった」

「そんな男がお前に近付いて…」

「何もないと思う?」


「違う!」

我慢できずに否定する。

私のことはなんて言われてもいい。

でも友達のことを悪く言われるのは違う。


「琉生はそんな人じゃない」

「私が嫌がることは絶対にしない」

「友達だからって…」

「そんなことする人じゃない!」

部屋が静まり返る。


しまった。

そう思った時には遅かった。


「……へぇ?庇うんだ?」

湊の声が低くなる。

「違う」

「じゃあどういう意味?」

「俺より神崎の方を信じるんだ?」

「違う!」

思わず声が大きくなる。


「そうじゃなくて!」

「……」

湊は何も言わない。

ただ、じっと私を見る。

その視線が怖かった。


長い沈黙のあと。