君の隣で、私になれた



「また琉生が先輩口説いてる」

後ろから男友達の声が飛ぶ。

「口説いてない」

「絶対口説いてる」


「で、今日学食来るよな?」

どうしても俺を学食へ連行したいらしい。


「行く!」

「え、珍しい」

「ふつうに腹減った」

そのまま男5人で学食ヘ向かう。




ーーその途中。


「そういやさ、成瀬莉桜って知ってる?」


もちろん知ってる。

昨日もバイトで一緒だったし。


「あー、莉桜?」

その瞬間、

「は?名前呼び!?」

なぜか全員が食いついてきた。


「え、何そのかんじ」

「何じゃねーよ!」

「成瀬さんだろ普通!」

「馴れ馴れしすぎる!」

…意味がわからない。


「なんで?普通に仲良いし」

沈黙。


「…まじ?」

「羨ましすぎる」

「可愛いもんな」

「いやあれはレベチに可愛い」

「こないた初めて見たけど実物やばかった」

「文学部でも有名らしいぞ」

「文学部どころか他学部のやつらも知ってる」

好き勝手に言い始める。


「でも彼氏いるらしい」

「まぁ、そりゃいるよな」

「それでも可愛いは可愛い」

「透明感やばいよな、色白すぎる」

「顔も綺麗すぎて人形みたいだった」

「わかる」

なんかすごい盛り上がってる。

しかも人形っていつかの新みたいなこと言ってる。


もちろん莉桜が可愛いのはわかる。


顔は整ってるし。

笑うと可愛いし。

男から人気なのは理解はできる。


でも、

「お前ら騒ぎすぎじゃね?そんな?」

「だって可愛いじゃん!」

「たしかに可愛いけどそこまで騒ぐ?」

「騒ぐだろ!!」

「逆になんでお前そんな反応なんだよ!」


なんでって言われても…

「見慣れてるから?」

沈黙。

「それ1番羨ましいやつ!!!」

「こいつむかつくから沈めていい?」

「賛成」

「なんでだよ!」