ーーー卒業旅行2日目。
京都。
八坂神社。
朝の空気は少し冷たい。
4人並んで静かに手を合わせる。
卒業。
就職。
それぞれ違う春。
「何お願いした?」
紅羽がすぐ聞いてくる。
「言ったら叶わない」
新が即答。
「えー!ケチ!」
「紅羽は?」
叶わないって言いつつ人には聞く新。
「もちろん恋愛!」
そして普通に答える紅羽。
「ぶれないな」
笑いながら境内を歩く。
「おみくじ!みんなで引こ!」
紅羽が走っていく。
4人で並んでそれぞれ1本引く。
「やった!」
莉桜がぱっと笑った。
「大吉!」
紅羽が覗き込む。
「うわほんとだ!いいなぁ!」
「私中吉!」
「十分じゃん」
「違うの!大吉がよかった!」
「紅羽らしいけど」
新が笑う。
「恋愛運!みんな見せて!」
「またそれか」
新が呆れる。
「重要でしょ!」
まず、莉桜。
『長く続いた縁に答えあり。
迷わず誠実に進め。』
「えっ!」
紅羽の目が輝く。
「これさ!」
「湊くんからプロポーズされるやつじゃない!?」
「されないから!」
莉桜が少し照れて笑う。
「湊くん卒業したらもう結婚じゃん!」
「気が早いって!」
笑い合う3人。
俺だけ黙っていた。
「じゃあ次!琉生の見せて!」
「えー、嫌だ」
反射的に隠す。
「怪しい!」
紅羽が腕を伸ばして掴みかかってくる。
「おい!……あっ!」
そのまま奪われた。
「どれどれ……」
紅羽が読む。
そして動きが止まる。
「え…なにこれ」
「運命の恋じゃん!!!」
「とうとう琉生も……」
紅羽の反応に思わず笑う。
「ないない」
