君の隣で、私になれた



紅羽がふと何かに気付いたように。

「……ん?」

「ってことは…もしや中学だったり?」

「……」

莉桜は少しだけ目を逸らして。

ぼそっと答えた。

「……中2」


「えぇぇぇぇ!!?」

今度こそ3人同時。

驚きすぎて開いた口がふさがらない。

「だから言いたくなかったの!」

莉桜は少しだけ不機嫌な顔になる。


「ごめんごめん!」

「びっくりしすぎて!」

「まさか琉生より早いとは……」

「俺もびっくり…」

口が塞がらないまま紅羽に同意する。


「それ、湊さんも知ってるの?」

気になったから莉桜に聞いてみる。

「うん、初めてじゃないってことは」

「へぇ。」


「元カレ?付き合った期間は??」

またここでも紅羽による尋問が始まる。

「2年ちょっとかな?」

「長っ!」

「一途なのは昔からだな」

新が静かに笑う。


「どんな人だったの?」

紅羽が興味津々で尋問を続ける。

「同じ中学の同級生で…」

「明るくて、よく笑うかんじの…」

「クラスの中心にいるような人」

「人気者だった。」

「へぇ、湊さんとタイプ違うな」

思わず口に出た。


正直かなり意外だった。

莉桜は湊さんみたいな落ち着いていて、

ミステリアス?クール?

みたいなタイプが好きだと思ってた。



「うん、湊とは全然違うかも」

莉桜も頷く。

「……」

そして少しだけ考えて言葉を続ける。


「でも琉生とちょっと似てるかも」


「……え?」

思わず聞き返す。

「明るいところとか…」

「あと…よく笑うところ!」

「そういう雰囲気?が少し似てる」

紅羽が俺を見る。

「言われてみればたしかに!」


「……。」

俺は笑う。

「へぇー」

そして軽く返す。



でも心臓だけが。

少しだけ。

騒がしかった。


俺に似てる元カレ。

ただそれだけの話。


なのにその一言が。

妙に頭から離れなかった。




「で!」

紅羽が空気を戻す。

「顔は!?やっぱイケメン!?」

「そこ気になる!」

「もう!また顔ー?」

莉桜も呆れたように笑う。

また4人で笑い声が重なる。



夜はまだ。

終わりそうにない。