「で?」
「何。」
「何じゃない!元カノ!」
「話戻った!」
琉生がいつものように笑う。
「別に何もない」
「あるでしょ!」
そこから紅羽による尋問が始まる。
「初彼女だよね?いつ?」
「高二。」
「どれくらい付き合ったの?」
「2年くらい」
「え、長っ!」
紅羽が驚く。
「なんで別れたの?」
私が聞けなかったところまで。
紅羽は難なく聞く。
新は少しだけ缶を見た。
「…浮気」
「……。」
部屋が静かになる。
「え。」
思わず声が漏れた。
「向こうの」
短く答える。
「……最低。」
紅羽が小さく呟く。
「…ひどい」
私も呟く。
新を見る。
いつも通り表情は変わらない。
でも少しだけ。
寂しそうに見えた。
琉生は…
少しだけ黙ってから口を開く。
「…まぁ俺が言えたことじゃないけど」
そして苦笑い。
「隠されるのは嫌だな」
「最初から言えよって思う」
新が琉生を見る。
「お前らしいな」
琉生は少しだけ笑う。
「だから俺は付き合う前に全部言う」
「合コンも行くし、」
「他の女とも遊ぶ。」
「嫌なら付き合わない方がいいって」
「それも最低!」
紅羽が即ツッコミ。
「よく言われる」
「でも、嘘つくよりマシ。」
さらっと答える。
新は少し笑う。
「価値観は合わない」
「でもそれなら裏切りではないな」
「だろ?」
2人は小さく笑った。
私は2人の恋愛観を聞いて。
やっぱり全然違うなと思った。
新は。
一人だけを大切にする人。
琉生は。
自由で縛られるのが苦手な人。
同じ男の人でもこんなに違うんだ…
ーーその後も。
缶が少しずつ増えていく。
みんなの顔も。
少しだけ赤くなってきた。
「じゃあ次!琉生!」
紅羽が琉生を指さす。
「途中まで彼女途切れなかったじゃん!」
「すぐ変わってたし!」
「なんで最近やめたの?」
「……」
琉生は缶を軽く揺らしながら。
少しだけ考える。
「なんとなく?」
「適当!」
紅羽が笑う。
