君の隣で、私になれた



莉桜はほとんど変わらない。

どうやら生まれつき綺麗な顔らしい。

普段から童顔気味だけどそれが増してる。

あとは肌がとにかく白い。



「でも。」

紅羽が莉桜を見る。

「莉桜ほんと変わんないよね!」

「いいなー、私なんて別人じゃん」

「いや別人ではない」

新が即答。

「ギャル感が消えただけ」

俺もそれに続く。

「それ一番言われたくない!」

またみんなで笑う。



その時。

紅羽がニヤッと笑った。


「ていうかさ、あんたら2人。」

「さっきから目線ちょっと下じゃない?」

紅羽が俺と新に向かって言う。

「え?」

「浴衣だから?うなじ?変態ー」

「違うわ!」

思わず笑う。

「見てない、見えてるだけ」

「あ、言い訳」


そして紅羽は悪そうに笑う。

「琉生、女として意識してるでしょ〜」

「それはない」

即答。

「はや!ひど!」

爆笑する紅羽。


「じゃあ莉桜は?」

「え?」

急に振られて莉桜は固まる。

「男2人えろい目で見てくるけど?」

「見てねぇ」

「侵害」


莉桜は何事もなくすぐに答える。

「えー、全然」

きょとんとした表情。

「無防備!危機感ゼロ!」

莉桜の反応に紅羽が爆笑する。


「いや、だって琉生と新でしょ?」

当たり前みたいに笑う。

「別に何とも思わない」


「……。」


その一言に。

一瞬だけ言葉が詰まる。


「ほら、固まった」

紅羽が俺を見る。

「固まってない」

「いや固まった。新見た?」

「見た」

「おい、裏切り者」

笑い声が部屋に広がった。



昼間とは違う。

誰も気を張っていない。

そんな時間が心地よかった。