君の隣で、私になれた



ほんとに当たってた。

「ほら、当たり」

琉生が笑う。

少しだけ得意そうな顔。


私は何も言わず隣を見る。

新とまた目が合う。

新はまた何も言わない。


でも。

その顔を見た瞬間。

分かった。


たぶん考えてることは同じ。



私は少しだけ琉生から離れて。

新の横に並ぶ。


小さな声で。

「……ねぇ。」

「ん?」

「琉生…」

「莉桜のこと見すぎじゃない?」

「……」


新は少しだけ考えて。

夜景の向こうにいる琉生を見る。


ジャスミン茶を買って。

何でもない顔で莉桜に渡していた。

「ありがとう!」

嬉しそうに受け取る莉桜。

それを見て自然に笑う琉生。

優しい笑顔。


それを見て新が小さく頷く。

「たしかに」

その一言だけだった。


でも。

その瞬間。

今まで感じていた違和感が。

一つに繋がった気がした。


団子。

抹茶パフェ。

結婚式。

テキーラ。

お酒。

カイロ。

川。


全部。

“莉桜だけ。”



…まさか琉生が?

そんな考えが初めて頭をよぎる。


きっと本人だけは。

まだ何も気付いていない。




夜景の光が。

4人を静かに照らしていた。