ーーー3月の後半。
ーー莉桜side.
卒業旅行。
京都。
「やばい!京都最高ー!!」
改札を出た瞬間。
紅羽が両手を広げる。
「まだ着いただけ。」
新が冷静に返す。
「うるさい!京都だよ!?」
「テンション上がるじゃん!」
「まだ駅。」
「細かい!」
「お前ら相変わらず仲良いなー」
琉生が笑う。
私も思わず笑ってしまう。
「仲良くない。」
新は即答。
「仲良い!!!」
紅羽も即答。
2人とも真逆なのに。
なんだかんだ息はぴったり。
何も変わらない。
いつもの4人。
それが少しだけ嬉しかった。
「よし!食べ歩き行こ!!」
「まずあれ!次あっち!」
「そのあと抹茶パフェも!」
「忙しいな」
呆れた表情の新。
「旅行なんだから!」
結局。
紅羽に連れ回される。
食べ歩き。
みたらし団子。
串を受け取る。
新が一口。
「うま。」
「マジ?」
琉生も食べる。
「え、うまっ!」
「えー!私もー!」
紅羽が身を乗り出す。
でも両手には既に別の食べ物。
「食べたーい!」
「琉生!食べさせて!」
「お前、食い意地張りすぎ!」
琉生が笑う。
「だって!食べたいの多すぎる!」
「早くちょーだい!」
口を開ける。
「あーーん!」
「はいはい。」
琉生は呆れながら団子を口元へ運ぶ。
ぱくっ。
「おいしー!!」
幸せそうな顔。
「満足ですか?」
「はいっ!」
その様子にみんな笑う。
すると。
琉生が私を見る。
「……」
ほんの一瞬だけ動きが止まる。
でもすぐに。
団子を持ったまま私へ向ける。
