君の隣で、私になれた



「似合ってる」

「ありがとう」


そして案の定、

「紅羽も気合い入ってんじゃん」

今度は紅羽のポニーテールを触る。


「でしょ?巻くの大変だったんだから」

「盛すぎじゃね?」

「うるさい!」

笑い声があがる。


ほら、やっぱり。

琉生は誰に対してもこんなかんじ。



「疲れた〜」

歩いてると突然。

琉生が私の頭に腕をのせてくる。


「重い」

「莉桜、小さいなー」

「琉生が大きいんだよ」

「それはある」


私の身長は158cmで至って平均的。

そして琉生は180cmで長身。

4人の中では私と琉生が1番身長差が大きい。



「ねぇ、ちょっと!」

その光景を見て紅羽が吹き出す。

「それ女の子が勘違いするやつだから!」

「何が」

「その距離感!ねぇ莉桜!」

「たしかに……」

「えー、普通だろ」

「普通じゃない」

新が即答する。


うん、普通ではない。

でも琉生の中では本当にそう思ってる。


「えぇ」

本気で分かってない顔をしている琉生。


「琉生さぁ、だから彼女に怒られるんでしょ」

紅羽が呆れたように言う。

「えー、なんで」

「なんでじゃない!」

「理不尽!」

「理不尽じゃない!」

全員で笑う。



その時だった。

私のスマホが震える。


『湊 着信』


「ごめん、ちょっと電話でてくるね」

3人にそう伝えて少し離れたところで電話に出る。


「もしもし」

『今どこ?』

「お祭り。前に伝えてたやつ!」

『へぇ、楽しそうだね』

「うん」


花火の音が遠くで響く。


『誰と来てるの?』

「バイトの友達!」

『男は?』

「え?」

『男。いるの?』

強めになった口調に少しだけ言葉が詰まる。