君の隣で、私になれた



「あれ?」

紅羽が笑う。

「琉生と莉桜ってなんか似てない?」

「一文字違いじゃん!」

「え、ほんとだ…」

私も思わず笑う。

「似てる」


新も覗き込む。

「言われるまで気付かなかった」

琉生も笑う。

「へぇー」

「偶然って面白いな」


紅羽が吹き出す。

「なんか兄妹みたい!!」

「たしかに!」

4人で笑う。


店長も笑いながら言う。

「お前ら社会人になっても仲良くしろよ」

「はい!」


そして最後に記念写真。

制服姿で最後の1枚。



ーー店を出る。


冬の夜。


「寒っ。」

思わず肩をすくめる。


「莉桜」

琉生がポケットからカイロを出す。

そして私に差し出す。


「え?くれるの?」

「あげる」

「ありがと!暖かい……」

私は思わず頬が緩む。

それを見て琉生も優しく笑う。


「あー!」

紅羽がすぐ反応した。

「ねぇ、私のは?」

「自分で買え!」

「また!差別!」

紅羽が笑いながら琉生の首を掴む。

「お前元気じゃん!」

琉生は笑いながら振り払う。


「元気だけど寒い!」

新が笑う。

「俺もほしい」

「2人で買いに行け」

「ケチ!」

また4人で笑う。



駅まで歩く。

いつもの帰り道。


でも、今日だけは。

「また明日。」

その言葉がなかった。



少しだけ静かだった。



店長が後ろから声をかける。

「おーい!」

私たちは振り返る。



「会おうと思わないと、」

「人って案外会わなくなるぞ」

「社会人になったら特にな」