君の隣で、私になれた



「神崎くん、このあと時間ある?」

「2人でちょっと飲み直さない?」

少し照れながら笑う。


俺は笑って答えた。

「今日はやめとこうかな」

「えー、」

「また今度な」

頭をぽん、と軽く叩く。


「約束?」

「約束。」

「わかった…じゃあまたね!」

「うん、気をつけて」

女子は笑って手を振る。


少し離れたところ。

それを見ていた経済学部の友達。

「え。」

「あの琉生が断った…?」

「誘い断るの初めて見た」

「今日どうした?」


俺は笑う。

「たまには帰る日もある」

「明日は雪が降るぞ」

「失礼だな」

笑いながら。

俺は一人駅へ向かった。





たしかに珍しかった。


いつもなら。

あのまま飲み直してた。


今日はなんとなく。

そんな気分になれなかった。


……。


文学部。

莉桜の仲良い友達。


だから?



いや。

違うか。


自分でもよく分からない。



まぁ。

また今度でいい。





ーー翌日。


合コン。


「かんぱーい!」


前日とはまた違う空気。


初対面。

距離は近い。


友達が肘でつつく。

「今日も帰んの?」

俺は笑う。

「今日は帰んない」

「だよな!」




ーー帰り際。


1人の女の子が腕に絡んでくる。

「琉生くん…うち来る?」

俺は少しだけ笑う。

「行く。」


自然だった。

昨日とは違って迷いはなかった。