ーーー大学4年生の秋。
ーー琉生side.
大学近くの居酒屋。
文学部と経済学部。
10人ほど。
「かんぱーい!」
グラスがぶつかる。
経済学部男子。
「飲め飲めー!!」
「一気!一気!」
店中が笑い声に包まれる。
「お前らうるせー」
俺も笑う。
「隣の席に怒られるぞー」
「琉生もやれよ!」
「俺はいい、見てる方が面白い」
「ずりぃ!」
また笑いが起きる。
その横。
文学部女子。
「神崎くんって…」
「思ってたより普通なんだね」
「何それ」
「もっとチャラいかと思ってた!」
「俺、真面目だよ?」
笑いながら返す。
「真面目ではないから!」
「でも優しい」
「そう?」
「話しやすい!」
「ありがと。」
自然に笑う。
別の女子。
「神崎くん、モテるでしょ?」
「んー、どうだろ。」
「モテる人の反応じゃん!」
「まぁ…否定はしない」
「うわー!ムカつくー!」
「でもかっこいいから許せる」
また笑いが起きる。
気付けば。
女子も男子も関係なく。
同じ輪で盛り上がっていた。
ー…少しして。
経済学部の友達が聞く。
「そういえばさ。」
「成瀬さんの彼氏ってどんな人なん?」
別の友達。
「え!!俺も気になる!」
「医学部の一個上なんだろ?」
「主席って噂」
「それしか知らん」
文学部の女子たちが笑う。
「それ結構有名だもんね」
「莉桜の高校の先輩なんだよ」
「へぇ!」
「高2からずっと付き合ってるって」
「もう5年くらい?」
「そうそう。」
「莉桜も彼氏も一途だよね」
「そして莉桜のこと大好きなかんじ」
「分かる!」
「へぇー!」
「どんな顔なん?」
女子たちは少し迷う。
「写真あるけど……」
「莉桜に送ってもらったやつ」
「見せても大丈夫かな?」
別の女子が答える。
「顔くらいならいいんじゃない?」
「たしかに!」
