君の隣で、私になれた



ーー…

「写真撮りたい!」

「いいよ」

湊は私の腰へ自然に手を回した。

「近い……。」

「彼氏だから」

私は少し照れながら笑う。


シャッター音。

「いい感じ!」

「保存しとく」

「私にも送ってね!」

「もちろん」



少し沈黙。


ライトが揺れる水面を見る。

「来年も…」

湊がぽつりと言う。

「また来ような」


私は笑う。

「うん!絶対!」

「約束。」

「約束。」





去年とは全然違う。


怒られないように。

顔色をうかがっていた恋人じゃなくて。



笑って。

手をつないで。

未来の約束をする恋人。


やっと。

なれた気がした。





ーーホテルの部屋。


「わぁ……」

思わず声が漏れた。


大きな窓いっぱいに広がる夜景。

街の明かりが宝石みたいに輝いている。


「すごい……」

窓際まで歩く。

「ここ、莉桜好きそうだなって思って」

振り向く。

湊が少し照れくさそうに笑っていた。


「ありがとう!」

「すごく嬉しい」


湊も隣へ来る。

肩が少し触れる。

窓に映る2人。


「今日、楽しかった?」

「すごく楽しかった」

「久しぶりにずっと一緒にいられた…」

そう言うと。

湊は小さく笑った。


「俺も。」

「やっとゆっくり会えた」


実習。

課題。

病院。


医学部5年生の湊は忙しい毎日。

会いたくても会えなかった時間。


だから今日が余計に特別だった。


「そうだ」

湊が紙袋を持ってくる。

「これ、プレゼント。」

「え?水着ももらったのに?」

「うん、開けてみて」


入っていたのは…

アイボリーのキャミソールセットアップ。

シルク生地で柔らかい光沢。

細い肩紐のキャミソール。

太ももが見えるくらいのショートパンツ。

上品だけど大人っぽいデザイン。