君の隣で、私になれた



ーー莉桜と紅羽。


紅羽と2人。

バイト前にカフェ。


「ねぇ莉桜」

「ん?」

「最近さ、琉生と何かあった?」

「え?なんで??」

唐突な紅羽からの質問に驚く。


「だって前より琉生に懐いてない??」

「前は一線引いてるかんじだったし…」

思い返すように話す紅羽。


「そうかな?」

「うん!絶対そう!!」

「なんか壁なくなった感じ!」


少し考えてみる。

「……そうかも。」


懐いてる…のかはわからない。

けど安心して何でも言えるし聞ける。

気楽に話せる。


だからたしかに壁はなくなったのかも。


「なんで?」

「分かんない」

少し笑う。

「でも、琉生ってなんか楽で…」

「気遣わなくていいからかな?」


紅羽は納得したように頷く。

「あー、それは分かる!」



紅羽に言われて初めて気付いた。


前より私は。

琉生に甘えてるのかもしれない。


何でも話せる。

何でも聞ける。

変に気を遣わなくていい。


きっと。

全部受け止めてくれるって。

どこかで思ってる。


それくらい信頼してる。



でも恋じゃない。

やっぱりそういう気持ちとは違う。


でも琉生はもう私にとって。

安心できる場所だった。




ーー一方、新と琉生。


バイトの帰り道。


「そういや。」

珍しく新から話をふってくる。


「ん?」

「紅羽が言ってた」

「莉桜が最近お前に懐いてるって」

俺はその言葉に少し笑う。

「懐いてるってなんだよ」


新はいつもの表情。

「前より距離近いだろ」

「前はもっと莉桜が遠慮してたけど」

「今は普通にお前に寄ってきてる」

「……まぁたしかに」


俺は少し考える。

「悪い気はしねぇな」

新は少し笑う。

「むしろ喜んでるだろ」


「そりゃ可愛い妹みたいなもんだし」

「へぇ」

それだけ。

話は終わる。




『懐いてる』

言われてみれば。


そっか。

安心してくれてるのか。


それは嬉しい。



……だからか。


最近。

近付かれると。

少しだけ変な感じがする。


なるほど。

全部『懐かれてるから』なんだ。


そう思った。