「だから言っただろ、普通だって」
「いやお前の普通は信用ならん」
「失礼だな」
また笑いが起きた。
『琉生は友達だから安心』
この言葉。
これがなんか嬉しかった。
「みんなアイス?いいなー」
手に持ってるアイスを見て莉桜が言う。
「一口食う?」
カップをそのまま差し出す。
「いいの?食べる!」
一口。
「冷た!おいし!」
「だろ?」
莉桜はそのままもう一口。
「おい、二口目」
「あ、バレた?」
「ほら返せ返せ」
「ケチ」
「誰がケチだ」
2人で笑う。
「じゃあまたね!」
「おー。」
莉桜が去っていく。
少し沈黙。
「…やっぱ成瀬さん可愛いな」
「可愛すぎる」
「なんか癒やされたわ」
「あーあ、フリーだったらなー」
「それは普通に全力で狙う」
「いやでも無理だろさすがに」
「競争率えぐい」
そして、ふと俺の方を見る。
「てか、琉生ばっかりずるくね?」
「なんであんな仲良いん」
「さっきのやり取り、何?」
「俺もそのアイス食いてぇ。」
「いやお前、間接キス狙いだろ」
「当たり前だろ!」
盛り上がる男友達。
笑い声。
「噂はデマだったけどさー、」
「そりゃ勘違いされるって」
「俺でも勘違いする」
「お前ほんとに狙ってねぇの?」
「琉生ならワンチャン奪えるくね?」
友達が怪しんだ顔で俺に聞く。
それを見て少し笑う。
「ないない」
「莉桜は妹みたいなもんだから」
「絶対そのうち後悔するぞ」
「しないって」
俺は呆れたようにまた笑う。
『妹みたい』
自然に出た言葉だった。
最近。
莉桜がよく笑う。
よく話しかけてくる。
前なら。
少し遠慮していたことも。
今は当たり前みたいに言ってくる。
……。
悪くない。
むしろ嬉しかった。
