君の隣で、私になれた



ーーー大学3年の秋。



面接ラッシュ。

就活が本格的に始まった。


4人それぞれ。

違う会社。

違う夢。



でも。

目指す場所は同じだった。





ーー紅羽。


出版社。


「最近気になった流行は?」

「〇〇です!」

「理由は?」

「SNSで──!」

途中から止まらない。


帰り道。

「終わったぁぁぁ!!」

「絶対落ちた!」




ーー新。


建築会社。


「休日は何をしていますか?」

「建築を見に行きます」

「他には?」

「図面描いてます」

「……趣味ですか?」

「はい」

面接官が笑う。

「建築、本当に好きなんですね」

「はい」




ーー琉生。


大手ディーラー。


「初対面の人と話すのは得意ですか?」

「好きです」

即答。

「緊張しませんか?」

「します」

「でも相手も緊張していると思うので」

「自分が笑ったら少し楽になるかなって」

面接官が笑う。

そこから話が広がる。

笑いが起きる。




ーー莉桜。


航空会社。


外国人面接官。

“Why do you want to become a cabin attendant?”
(なぜ客室乗務員になりたいのですか?)

“Because I like making people feel comfortable and happy.”
“I want to support passengers so they can enjoy a safe and pleasant journey.”
(お客様に安心して快適に過ごしていただきたいからです。安全で心地よい空の旅を支えたいと思っています。)

面接官が微笑む。

もう一人の面接官が続ける。

“Your pronunciation is excellent.”
(発音がとてもきれいですね。)

笑顔でお礼を言う。

“Thank you very much.”

深く一礼する。