ーーー大学3年の夏後半。
大学の就活支援室。
そこに集まるいつもの4人。
「じゃあ面接練習を始めるぞ」
新がノートを閉じる。
「本番だと思って」
「はーい」
紅羽が姿勢を正す。
「まず紅羽から」
「えぇ!?」
「一番うるさいから」
「理不尽!」
笑いが起きる。
ーー紅羽。
「自己PRお願いします」
新が面接官役。
「はい!」
元気よく立つ。
「私は明るさと行動力が強みで──」
最初は順調。
でも。
「えっと……」
止まる。
「……」
「……」
「終わり?」
琉生が笑う。
「終わりじゃない!」
「頭真っ白!」
「はい不採用」
新が即答。
「早いって!」
4人で笑う。
「でも」
私は紅羽に向かって言う。
「話してる時の笑顔すごく良かった」
「ほんと?」
目をキラキラさせて笑う紅羽。
「うん。それだけで印象残ると思う!」
「莉桜優しい……」
ーー新。
「次、新」
琉生が面接官役。
「志望理由を教えてください」
「志望理由は──」
論理的。
無駄がない。
完璧。
「……」
全員黙る。
「終わり?」
新が言う。
「いや」
琉生が少し笑う。
「完璧なんだけど」
「面接っていうより授業」
「え?」
「真面目すぎ」
紅羽も頷く。
「もっと笑って!」
「笑う?」
「うん!」
「難しい」
「そこ頑張れ!」
