囚われアリスは館の中


「再びアリスが目覚めるまで、自分は三月ウサギと眠りネズミと共にお茶会をしていましょう」


__それではこれにて失礼。


そう言い残して帽子屋は近くの扉の向こうへと去って行った。

ポツンと残ってしまった僕は、その場でググッと背伸びをする。


「僕も白い部屋に戻るか」


あの場所なら、目覚めたアリスの一番近くにいられる。

最も、アリスと出会えるかは彼女の選択次第だけど。


「また白い扉を選んでくれるといいな」


そして願いが叶うなら。

君の意志で“この館”にいる事を選んでほしい。

この世界に残る事を、選んでほしい。

本物の君はこの世界から去って行く事を選んだから…もう二度と、どこにも行かないアリスが欲しかった。

だから作った、偽物のアリスを。

あくまでも本物と同じ考えで動く彼女。

だからこそ思った通りにはいかないけど…。

それでも。

欲しい言葉がもらえるまで続ければいい。

何度でも、何度でも。


「終わらないよ…アリスが僕らといる事を自ら望んでくれるその日まで、ずっとずっと__」


いつまでも、いつまでも。

アリスが不思議の国(この世界)を選んでくれるその日まで。

ねじ曲がった歪な願望に囚われたアリスは、今日も館の中にいる。










【True End】…囚われアリスは館の中。