そんなの初耳だけど…。
これは三月ウサギのとっておきのおやつだって…。
私は白ウサギを見た。
「うーん、三月ウサギってば…また女王様のおやつを勝手に持ってきて…。それでこの前トランプ兵長達から逆さ吊りにされたばかりなのに」
ポリポリと指で頬をかきながら「彼も懲りないなぁ」と白ウサギが呆れたような声を出す。
「それじゃあ、私達はどうなるの?」
もしかして、このまま元の大きさに戻らないなんて事は…。
頭によぎった不安。
それが顔に出ていたのか、ネコさんが笑った。
「時間が経てば元通りになるから大丈夫ニャア」
「そうなの?それって、どれくらいの時間が必要?」
「そうだニャア…数時間って所かニャア?」
「そんな…!」
この辛い体勢のまま数時間なんて、絶対に体が持たない。
すでに額から汗は滲んでいて、曲げた腰はプルプルと震えていた。
それを見ていたのか、白ウサギが口を開く。
「チェシャ猫、頼みがあるんだけど」
「何ニャ?」
「女王様のナワバリから、“ドリンク・ミー”と書かれている小瓶の飲み物を持ってきてくれるかな?確か、体を小さくする効果があったはずさ」
その言葉に、ネコさんが首を傾げた。



