囚われアリスは館の中


「ほら、そこのアホ面のブス!さっさとパーティーから出て行けよ!せっかくの女王様の紅茶が冷めちゃうだろ!」


あっちに行けと言わんばかりに手を動かす彼の言葉通り、私達はパーティー会場を後にした。

白ウサギに導かれるまま、近くの扉を開ける。


「それでは女王様方、さようなら~」


去り際、白ウサギは五人に向かってヒラヒラと手を振った。

その瞬間、ダイヤの放った弓矢の矢じりが扉に突き刺さる。


「ありゃ?」


「ひっ…」


私は慌てて白ウサギの手を引っ張り次の部屋へ転がり込んだ。

パタンと扉が閉じられ、新しい部屋を見渡す。

そこは明かりが無く、薄暗いジメジメとした場所だった。

土が通路の両端にまかれていて、そこから奇妙な植物が生えている。

壁にはツタが伸び、不気味な雰囲気が辺りを包んでいた。


「おや、ここは“迷いの通路”だね」


白ウサギがねじ曲がった植物の葉をつつく。



「迷いの通路…?分かれ道も無さそうだし、迷う事はなさそうだけど…」


目の前に広がる道は真っ直ぐ前方に伸びていて、その先には扉が見える。

“迷いの通路”と言われていたけど…ここで迷う方が難しいんじゃないだろうか。

白ウサギがクスクスと笑う。


「そう思うなら、試してご覧よ」