「それは興味深い!アリス、ありがたく頂こう」
白ウサギが女王様へと一礼をして、濃い橙色の紅茶が入ったティーカップを手に取った。
それをマネして、私もぎこちない所作で女王様に頭を下げる。
そっと手にしたカップ。
とても爽やかなハーブの良い香りがする。
どんな味なんだろう…。
期待に胸を膨らませて、紅茶を飲む。
そして私は__。
「っ…ぐ…」
思いきり、顔をしかめた。
何…これ。
苦い。
苦くて渋くて、とても飲めた物じゃない。
こんな物を四人は“美味しい”なんて言っていたの?
隣の白ウサギを見る。
彼は涼しい顔で、ゴクゴクと紅茶を飲み干していた。
…スゴい、これを飲みきるなんて…。
私には無理だ。
そっとティーカップをテーブルに戻す。
まだ中身の残っているそれを見て、女王様が不機嫌そうに目を細めた。
「…あら?まだ紅茶が残っているわよアリス。このままでは冷めてしまうわ…早く残りもお飲みになって」
私はそれに首を振る。
「えっと…これ以上はご遠慮させていただきます」
女王様の整えられた眉がピクリと動いた。
その場に不穏な空気が流れる。
「おやおや」
笑っているのは白ウサギだけだった。



