「普段なら無断でパーティーに割って入る輩なんて即刻処刑にするところだけど…今日のわたくしは機嫌がいいの」
注ぎ終えたカップが私達の前に置かれる。
どうやら、飲めという事らしい。
「なんせ、ここにいる四人の兵長…ハートとスペード、ダイヤとクラブが処刑した罪人の数が1000人に達した記念のパーティーですもの」
女王様がニコリと優雅に微笑む。
その表情は大人びていて、私はすっかり見とれてしまった。
「ですから、わたくし自らが選んだフレーバーで紅茶を淹れて、その素晴らしい功績を褒め称えていたのよ」
女王様が兵長達を見渡す。
「お前達、味はどうだったかしら?」
その言葉に四人の兵長達はそれぞれ嬉しそうに口を開いた。
「とても奥深い味で美味しかったです、女王様!」
「女王様の気品が、淹れて下さった紅茶にも溢れておりました」
「いやぁ、女王様ったら初めてお淹れになったとは思えない、洗練された味で驚いちゃいました~」
「俺達には勿体ないほど光栄で貴重な時間をありがとうございますっす、女王様」
四人の言葉を受けて、女王様が満足そうに頬を緩める。
その視線が、私と白ウサギに移った。
手のひらを差し出し、小さな唇が「どうぞ」と紅茶を進める。
「あなた達にも特別に振る舞ってさしあげる。わたくし特製の紅茶よ…さぁ、温かいうちにお飲みになって?」



