「彼ら四人は女王様の忠実な騎士…トランプ兵を従える兵長達だよ。赤い服がハート、青がスペードでオレンジがダイヤ、緑がクラブって名前さ」
「トランプ兵?」
「彼らの絵画、その足元をよく見てご覧」
白ウサギに促され、私は再び絵画に視線を向けた。
じっと目を凝らす。
確かに、四人の男の子達の足元には、長い毛糸のような手足を伸ばしたトランプが並んでいた。
「このトランプ達も、女王様の騎士?」
「兵長四人には及ばないけど…そうだね。まぁ基本的には掃除や水やり、洗濯なんかの雑用がトランプ達の主な仕事さ」
「トランプなのに水を使って大丈夫なの?」
「平気だよ。彼らは生命力が強いから…仮にハサミで真っ二つに切ってしまったとしても、時間が経てば元通り復活するからね」
白ウサギの説明に頭が追いつかない。
そんな不思議な存在がこの館にいるの?
会いたいような、会いたくないような…そんな相反する気持ちが胸の中に溢れていた。
「さぁ、先に進もう。そろそろ次の部屋だよ」
白ウサギが歩き出し、私も足を動かす。
通路の終わりにやってくると、豪華な扉の前で私達は止まった。
扉の向こうから賑やかな声が聞こえる。



