囚われアリスは館の中


「出口っていうのは、思いがけない場所にあったりするもんさ…お望みの扉は以外とアリスの近くにあるかもニャア」


「つまり、どういう事?出口はどこにあるの?」


「目の前ばかり見てちゃ見えないもんさ、この館の通路はそういう風にできてる」


私は首を傾げる。

それじゃ全く答えになっていない。

不満げな私の顔を見て、ネコさんはケラケラと愉快そうに笑う。


「もう俺に言える事は他にないニャア、後は一人でせいぜい頑張りニャアよ」


言いながら、ネコさんの体が徐々に透けて透明になっていく。


「ま、待ってネコさん、消えないで!」


「それじゃあニャア、可哀想なアリス」


ニヤついた口元が消え、その場にはもう誰の気配もない。

また、一人になってしまった。

さっきまでネコさんと話していたからか、余計に一人になった寂しさが際立つ。


__ふふふ。


__あはは。


__えへへ。


辺りには相変わらず不気味な笑い声がこだましていて、植物が鬱蒼と茂っている。


「えっと…なんて言ってたっけ…」


私は消えたネコさんの言葉を一つずつ思い出した。