辺りを見渡す。
そんなの、変よね。
この場所には時計なんてないのに…。
「さぁ、次の部屋に行こう!」
白ウサギが私の手をとり、歩いて行く。
だけど…そこには白い壁があるだけで、他には何もない。
白ウサギだけが何かを待ちわびるように壁を見つめていた。
「ねえ、この壁がどうかしたの?」
たまらず問いかける。
白ウサギはズボンから生えているふわふわの白い尻尾を左右に動かしながらニコリと笑った。
「うん、もうすぐこの場所に扉がでてくるんだ」
「扉が…出てくる?」
「そうさ!この館は不思議な場所でね…その日によって、もしくは時間によって出てくる扉と出ない扉があるんだよ…ほら、見て!」
白ウサギが壁を指差す。
視線を向けると、そこに一つの扉が現れた。
さっきまで何もなかった場所に、突然。
「さて、今回はどの部屋に繋がっているかな?」
「たどり着く部屋も変わるの?」
「うん、館の構造は完全にランダムだからね。決まった部屋に行く方法もあるんだけど…いや、その話は長くなるからまた今度にしよう」
会話を切り上げ、白ウサギが現れたばかりの扉を開いた。
そこには、赤い絨毯が敷かれた長くて広い通路が広がっている。



