囚われアリスは館の中


「白いカギを使ってみようかな…」


手に取ったカギを使い、白い扉へと向かう。

“おはよう、アリス”。

記された文字、それは手書きの物だった。

私は扉に近づき、まじまじとそれを見る。

ここにだけ文字が書かれているのは何でだろう。

私の事を知っている誰かが、この先にいるの…?

ドアノブの下にある小さなカギ穴に、白いカギを差し込む。

ガチャリと解錠された音が鳴り、扉を開けた。


「ここは…?」


中を覗くと、真っ白な部屋。

そこにはテーブルも、鏡も、タンスなども無かった。

だけど唯一、部屋の奥に一つだけ置かれた白いベッドから寝息が聞こえている。


「誰か、寝てる…?」


私はこっそりとベッドに近づき、眠っている人の顔を見た。

長い耳を生やした白い髪の毛の男の子が、スヤスヤと眠っている。


「可愛い寝顔ね」


くすりと笑うと、男の子の口から声がもれる。


「ん…ぅ…」


男の子は何度か寝返りをうったあと、小さくうめき声を上げながら重たそうなまぶたを開けた。

ベッドから上体を起こしてボーッと辺りを見渡し、やがて彼のまどろんだ赤い瞳に私が映った。

男の子は私を見て何度か瞬きをした後、枕元に置いてあった眼鏡を顔にかけて、再び私を見た。

そして満面の笑みで口を開く。


「アリス!僕の部屋を選んでくれたんだね!」