「どうぞお座り下さい、女王様」
クラブが引いてくれたイスに女王は腰かける。
「はーい!今日の紅茶はボクが淹れました~」
「茶葉は僕が選んだので、味はご安心を」
「はぁ?それどういう意味?」
「女王様、俺が焼いたケーキもどうぞー」
白いテーブルクロスの上には、ハートとスペードがケンカをしながら淹れた紅茶と、ダイヤの焼いたケーキが置かれていた。
視線を移す。
その先には、動かないトランプ兵とアリスの体。
トランプ兵は時間が経てば元通りになるけれど、アリスはそうもいかない。
「誰か、“アイツ”を呼びなさい。アリスの後始末をさせるわ」
「承知致しましたっす、白ウサギですね」
クラブが一礼をして去って行く。
その背を見届けて紅茶を一口飲んだ。
このアリスを見るのは不快だ。
首を落とされて動けないとしても、体からこぼれる赤いインクとオイル臭いが鼻をついてたまった物じゃない。
この“まがい物”にいつまでアイツは…白ウサギは夢を見るんだろう。
女王は小さく呟く。
「もう本物のアリスは夢から覚めたというのにね」
「えっ?女王様、何かおっしゃいましたか?」
「いえ…何でもないわ」
チクタクとうるさい音に目を瞑り、女王がケーキにフォークを突き刺した。
【パターンB】
END2…女王様とトランプ兵
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