囚われアリスは館の中


トランプの体が、矢で射抜かれた。

女王様の隣にいたダイヤが、構えていた弓の弦から指を離す。


「あはは…女王様のご意思こそ絶対だよー、キミの意見は必要じゃない」


明るい口調とは裏腹に、髪の毛の隙間から見えた瞳は冷たい温度を含んだまま、動かないトランプを見下ろしている。


「ナイス、ダイヤ」


ハートがトランプに突き刺さった矢じりを乱暴に引っこ抜き、ダイヤに渡す。

目の前で説得してくれていたトランプの体は、その衝撃で半分に千切れてしまった。

その光景に私は絶望する。

次に処刑されるのは__私だ。


「誰か…誰か助けて…!」


悲痛な叫びは誰に届く事もなく。

無常にも女王様の凛とした声が響き渡る。


「罪人アリスを__処刑せよ」


その言葉を合図に、刃の落ちる音がした。