後ろから声が聞こえる。
「どう?仕留めた?」
「血がついてない、逃げられた」
「じゃ、次はボクの番~」
「どうぞ。お手並み拝見だね」
物騒な会話をする二人の声は、まるでオモチャで遊んでいる子供のように無邪気で、楽しげな物だった。
グッと唇を噛み締める。
殺されるなんて冗談じゃない。
私はお家に帰るんだから。
なるべく部屋の端を通りながら奥を目指す。
いつ槍が貫いてくるか分からない中を進むのは想像以上に恐ろしい。
何度も足が止まりかけては転びそうになる。
幸運な事に、それから槍が突撃してくる事はなかったけれど…私の精神はもう限界だった。
奥に奥にと進む足取りがフラつく。
倒れそうになりながら、もう何度目になるか分からない扉を開いた。
その先に広がる光景。
それはこれまでの部屋とは違い、異質な場所だった。
円形の壁に囲まれた広い空間。
壁には一定の間隔で扉が設置されていて、きっと今まで通ってきたトランプ達の部屋と繋がっているんだと思う。
真ん中には…ぽっかりと大きな穴があいていて、覗いてみると中はすべり台のようになっていた。
「どこに繋がっているの…?」
分からないけど、ここを通らないと。
行き止まりのこの場所に、他の通路は見当たらない。
私は覚悟を決めてすべり台に手をかけた。



