囚われアリスは館の中


長い通路。

ずらりと並ぶ扉はほとんどが人間サイズの大きな扉。

そんな中、かろうじて見つけた小さな扉に駆け込む。

そこはトランプの部屋なのか、小さくて可愛らしい白いベッドやテーブル、タンスが置かれていた。

部屋の左右には扉がある。


「おい!でてこいアリス!」


「トランプの部屋に隠れても無駄だよ」


扉を突き破って、青い柄の槍が真っ直ぐ壁に刺さった。

テーブルは一刀両断され、バラバラに砕け散る。

私は慌てて右側の扉に入った。

もしかしたら左の扉が正解だったかもしれないけど、槍に邪魔されてしまったから仕方ない。

次の部屋も変わらずトランプの部屋のようだった。

今度は前方に一つ、左に一つ部屋がある。

どこかに隠れる所はないかしら…?

いや、それよりも逃げるの方がいいの…?

隠れるならタンスだけど、またさっきみたいに槍が壁を壊して刺さったら…。

今度こそ、私も巻き添えになるかもしれない。

それなら、やっぱりこのままトランプの部屋を進んで行くべき…?

考えていると目の前を槍が貫いていった。

…壁を壊して。

考える時間はないようだった。

槍の貫いた先、私から見て左にある扉が壊れてぽっかりと穴が開いている。

とにかくハートとスペードがいる通路側の壁から、少しでも遠い場所を目指さなくちゃ。

槍が抜かれた瞬間を狙って、私は穴の向こうへ走った。